気配

人間には人の「気配」を感じ取る能力がある。
本物そっくりに作られた人形やCGにはない、生きた人間の気配
 
その気配というものは、ただそこに、その人がいるだけでいい。
なにも言わなくても、なにもしなくても、想いは気配に変わり、人に伝る。
それはまるで、存在自体が環境を、運命さえも変えていくかのようだ。
 
ライヴでもこういう感覚を何度か味わったことがある。
人のライブでも、自分のライブでも。
 
某バンドの解散ライヴでのこと。
演奏は決してよい出来ではなかったけれど、彼らの放つ気配は強烈に伝わってきた。
奏でる音やパフォーマンスではなく、その気配にものすごく感動した。
 
自分のライヴでもある。
もはや演奏や歌などどうでもよく、ただその気配に自分も周りも巻き込まれ、一体感の渦に身を委ねた。
なんとも言えない高揚感と充実感が残った。
 
そんな感覚、経験を、これらも体感してみたい。
 
人間は誰ひとりとして、造花ではない。
生きた花。
 
hijiri