青少年の健全な育成の”条例”

12月15日に都議会本会議で可決してしまったコレ
 
“表現の自由の侵害”を筆頭に、大きな物議を醸し出しています。
都条例とはいえ、主要な出版社が東京に集中していることを考えれば、これは事実上全国的な問題ですね。
 
その影響で、東京国際アニメフェアは当初参加が予定されていた作品の半分以上が不参加になるという惨事(><) 東京国際アニメフェア参加拒否=都の漫画規制案に抗議?出版10社
 
子どもとの性行為や強姦など、著しく社会規範に反する性行為などを描いた漫画を規制すること”自体”はいいと思うけど、「なぜ漫画だけ?」と思っている人は多いのではないでしょうか。
 
携帯フィルタリングの実態 警察庁が全国1500販売店に異例の覆面調査へ
 
調査によると、携帯電話のフィルタリングの加入率は小学生が61.7%、中学生54.7%、高校生38.7%にとどまっているそうです。
パソコンに関しても同様で、親世代のネットリテラシーがとにかく低すぎる。フィルタリングという機能があっても、その仕組みについて理解している親が少なすぎる。
 
これではまったく意味がありませんね。きっと効果測定も行われていないのでしょう。
 
そもそも、”健全な青少年の育成”ってナニかね?
 
もし条例賛成派が、”無菌状態で育てればいい子に育つ”なんて思い込んでいるとしたら、それは大間違いですよ。
理不尽に抑制された状態から解き放たれた時の方がよっぽど怖い。
世の中には少なからず汚さやいやらしさが存在しているのです。それに徐々に慣れていくことが大切であって、いきなり現実に放り出されたときの反動は計り知れないと思うのです。
 
このことをtwitterでつぶやいたら、おもしろい例えをいただきました。
「無理にダイエットしても、そのリバウンドでより大食いしてしまう。」
そういうことでしょう。
他の例えとしては、若い頃にある程度恋愛経験を積んでいないと、結婚して妻子を持ってからキャバクラにハマって破滅するとか、子供の頃にある程度喧嘩をしていないと、大人になってから加減を知らないのでいきなり刃物で刺してしまう、とかね。
 
それでも「うちの子に限って」とかズレてることを言う人はいるんでしょうね。
いやいやいやいや、青少年は見てますよb
昔からキャッチ&リリース文化というのがありましてね。用水路とか神社にエロ本が落ちてて、それが代々受け継がれて行くというアレです。(古いかw)さらにいまはネット上にいくらでも落ちてるからね。
 
そもそも、青少年は大人が思っているほどバカではないと思いますよ。
フィクションとノンフィクションの違いは分かっているし、それらに触発されて実際に犯罪を犯す人はそうそういません。
青少年だって一線を越えない判断力は兼ね備えているはずです。
 
青少年の育成を目的としながら、ただ規制することしかできないのは、日本ではまともに性教育できる人が皆無だからというのもあるのでしょう。実に無責任ですね。
 
この問題はこれからもっと大きくなる気がするけど、さっそくこんな問題発言が出ましたね。
猪瀬副知事発言またまた物議 「近親相姦マンガも傑作ならOK」
 
手塚治先生の「火の鳥」には近親相姦の描写があります。でも「火の鳥は傑作だから条例は適用されない」と発言したのです。
これは恐ろしいことですね。その漫画が傑作かどうか誰が判断するのでしょうか?
手塚作品も含めて、世に出てから評価されて”傑作”になった作品はたくさんあるはずです。
 
あ、こんなのもあります。
東京都青少年健全育成条例改正問題 「説得」にあたった都職員の行為に「不適切」、「違憲」の見方が
 
条文が危険、可決のプロセスに疑惑、、こんな条例を本当に通してしまっていいのでしょうか?
 
hijiri