音楽配信と電子書籍

2000年代から音楽のデジタル革命がはじまり、いまやCD販売数よりも配信販売数の方が上回るという事態。
 
それによってレコード会社は絶好調の不況とか。
 
音楽配信によってユーザが知ることになったのは、本当の「音楽の値段」。
いままで何の疑いもなく「CD1枚3000円」というのが音楽の値段だと信じていた。だが実はその多くがパッケージの値段(記録メディアと印刷物とケース)であったことがバレたわけだ。パッケージを抜きにした純粋な音楽の値段はこんなものなんだと。
おかげで音楽市場のトータル的な売り上げは激減というところだろう。
 
ただし、本当の「音楽の値段」が音楽配信の値段であるかどうかは再考の余地はある。
そのテーマについてはまた今度にして。
 
とにかく、すでに2010年代に突入したにも関わらず、配信音楽を主体とした有力なビジネスモデルが確立せず、迷走し続けているのが問題、だとも思う。
ここ10年間で配信オンリーのレーベルや、配信サイトは星の数ほど立ち上がったが、現在まで生き残っているものは、ほとんどない。
 
一方、アップルのiPadが発売されたことをきっかけに電子書籍市場が拡大してきている。
自分も電子書籍の便利さはかなり実感している。
 
だが、ここで素朴な疑問がある。
 
音楽の場合、配信音楽はCDの値段よりも安くなるのに対して、書籍はほぼ同額なのだ。
 
書籍も音楽と同様に、デジタル化すれば当然、紙代、印刷代、製本代など、かなりコストダウンできるはず。
それなのに、ほぼ同額。
なぜなのだろうか?
 
hijiri